08/16
鉄オヤジ元研究所長、列車のトイレの歴史を語る(後半)

排泄物垂れ流し状態をそのまま新幹線に適用してしまうと、
夢の超特急が高速で排泄物を飛散させながら走りぬけることになります。
スピードが速くなるにつれて飛散エリアも広がるため、
黄害が社会問題化しつつあった当時、
黄害防止のためにはタンク式トイレを採用せざるを得なかったようです。

黄害が社会問題化するに従い、
在来線の列車(電車)の、例えば東北本線(通称宇都宮線)、高崎線の車両には、
「大宮~上野間の使用は控えてください」などの掲示がされるようになって来ました。
当然騒ぎになる以前から「駅停車中のご利用はお控えください」との掲示もありました。
その問題の区間、トイレを車掌が施錠して使えなくしていたとの噂も聞いたことがあります。

新幹線にタンク式トイレが設置されてから、
在来線でも大都市圏の車両基地での排泄物抜取設備工事の進捗に合わせて、
特急などから順次タンク式や循環式トイレの設置が進められました。
さらに、地方中核都市への展開、普通列車のトイレ設置数の見直し(1両に1箇所 → 3~4両に1箇所 → 3~4両に2箇所など)があったりしながら、
徐々に列車(電車)の垂れ流しトイレが無くなりました。
皆さん驚かれるでしょうが、全てが無くなったのは実は2000年代に入ってからなのです。

高速バスにトイレがついているのが珍しくなくなった最近では信じられないことが、かつての列車(電車)の周りには存在していたわけです。

おまけに一つ。
窓を開けて景色を楽しみ、気持ちの良い風を浴びながら車内で食べる駅弁、
とても美味しかったのですが、考えてみると・・・、恐ろしいですね。
そういえば昔は飛行機も、・・・だったと言うような話を聞いたことがありますが、
定かではありません。

おしまい

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08/15
鉄オヤジ元研究所長、列車のトイレの歴史を語る(前半)

お久しぶりです。
昨年、鉄オヤジ研究所長としてこのブログに登場しました安藤です。
実は、6月末に異動になりましたので、現在は鉄オヤジ元研究所長ですかね。

昭和39年10月。この月に何があったのか、何が脳裏に浮かぶでしょうか?
当然その時に生まれていなかったり、物心がついていなければ何も浮かばないと思いますが、東京オリンピックが開催された月です。
でも鉄オヤジを自認している身として回答すれば、
「夢の超特急、東海道新幹線開業」と答えることになります。

大震災で話題にすら出来なくなっていましたが、今年3月に青森から鹿児島までが新幹線のレールで繋がりました。
実に47年近くの年月を必要としたわけです。
こんな話題ではこのブログネタとしては面白くないので、ここからは本当のネタを。

実はこの時期は列車(電車)のトイレの大変革が始まった時でもあるのです。

※列車(電車)と書いてありますが、列車は電気機関車やディーゼル機関車、蒸気機関車が客車(無動力)を引いて走る全体を指し、電車は自ら架線から電力供給を受けモーターを動かして自ら動く編成単位を指し、鉄チャン的にはぜんぜん違うものです。
念のため。
ちなみに新幹線は電車の仲間です。

新幹線には日本の鉄道でほぼ初めてタンク式のトイレが採用され、
従来の列車のトイレが海外でも垂れ流しがほとんどであった時代にとても画期的なことでした。

当時の在来線列車のトイレは、
実は乗客の排泄物をそのまま車両の下に巻き散らす構造になっており、
排泄物は走行するスピードで粉砕され、沿線に飛沫となって飛んでいたわけです。

長距離移動に夜行列車が多く利用されていた当時、
朝、列車が終着駅に近づくにつれ便意を感じてきた乗客で列車のトイレが混雑するわけですが、
必然的に東海道本線、東北本線などの長距離夜行列車が多かった線区の終着駅の少し手前の沿線は毎朝
"大黄害"(排泄物の色からこのように表現されていました)
に見舞われ、
洗濯物に飛沫が付着することなどは日常茶飯事だったようです。

現在の衛生感覚からは想像も出来ませんね。
乗客の中にノロウイルスなどの感染者はいなかったのか、今でも気になります。

つづく

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05/31
「わきが」のはなし 3

ブログ400回記念 スペシャルゲスト企画
出来尾 格 先生(英国健康保護局感染症センター 訪問研究員・島根大学医学部皮膚科講師)
さて今回は、わきがの化学の話をします。

アポクリン汗より皮膚常在菌が作るにおい物質の多くは、プロピオン酸や酪酸などの無害な酸で、
これらは酸っぱい系のにおいです。
不快度は高くありません。

しかし、わきがの人の場合は、
皮膚の常在菌の構成が変化しており(特にコリネバクテリムという菌が多い)、他の物質が作られます。
わきがのにおい物質は、「タマネギやキッチンのにおい」と言われる3-メチル-3-スルファヘキサノールや、「チーズのようなにおい」と表現されるメタンチオールといった揮発性の物質です。
「タマネギやキッチンのにおい」や、「チーズのようなにおい」がする人が身の周りにいらっしゃいますか? 
あまりいないとは思いますが、もしいらっしゃったら、わきがかもしれませんね。

ところで、体臭とは異なりますが、
ヒトの脇の下と外陰部から出るアポクリン汗には、異性を惹きつける「フェロモン」が含まれていると古くからいわれています。
そのため汗からヒトのフェロモンを見つけ、香水として商品化しようという研究が行われています。
今のところ、さまざまな候補はあるのですが、フェロモンと断定された物質はありません。
しかし、その候補のいくつかは性ホルモンの親戚(構造が似ている)で、
なんと、脇の下に棲む菌が、アポクリン汗にわずかに含まれている性ホルモンから作っているといわれています。
脇の下のにおいは皮膚常在菌が作ることを述べてきましたが、フェロモンも菌が作っているなんて素敵だと思います。

400回記念のわきがシリーズ、おしまいです。

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05/30
「わきが」のはなし 2

ブログ400回記念 スペシャルゲスト企画
出来尾 格 先生(英国健康保護局感染症センター 訪問研究員・島根大学医学部皮膚科講師)

「わきが」
は、脇の下が異常なにおいを発している状態のことをいいます。
正式には「腋臭症(えきしゅうしょう)」といいます。
「腋」という字は、脇の下の正式名称「腋窩」からきています。
脇の下は、誰でもにおいを持っています。
このにおいは、皮膚の常在菌が汗を分解することで発生します。
脇の下にたくさんある「アポクリン腺」からでる「アポクリン汗」は、分泌されたばかりでは無臭ですが、しばらくすると常在菌に分解されてにおい物質を出すのです。

皮膚常在菌の構成は、人それぞれ大きく違っているので、においも違ってきます。
においについての敏感さには大きな個人差がありますし、
また、においの良しあしには基準はありませんから、
わきがの客観的な定義はありません。
つまり、このにおいが異常かつ不快に感じられると、わきがと呼ばれます。

さて、お分かりのように、「においの評価に客観的な基準がないこと」は曲者なのです(笑)

よくある例①: 
他人は不快だと思っていないのに、自分には自分の脇の下のにおいが不快に感じる、というものです。
つまり、気にしなくていいのですが、きれい好きな性格のため自分のにおいに耐えられないのです。
そのような患者さんが診察室にいらっしゃった場合、鼻を近づけてくんくんにおってあげ、
「大したにおいではないし、不快ではない」と安心させてあげます。

よくある例②: 
他人は不快だと思っているのに、自分にはにおいが不快に感じられない、つまり①の逆です。これは困ったことになります。
このような方は診察室に現れませんので、私には手の施しようがありません。

たまにある例③: 
他人にも自分にもにおいが不快、または他人が不快に思っていることを本人が知っている場合です。
この場合、患者さんが診察室に入った途端ににおいます。そして治療をします。
常在菌を抑えるスプレーの購入を勧めたり、ローションを処方します。
よほどの場合には、手術でアポクリン腺を取ってしまう方法もあります。

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05/27
「わきが」のはなし 1

ブログ400回記念 スペシャルゲスト企画
出来尾 格 先生(英国健康保護局感染症センター 訪問研究員・島根大学医学部皮膚科講師)

こんにちは。皮膚科医の出来尾です。

近頃、博士のブログがかなりさわやか路線ですね。
今回、栄えある400回記念ということで博士から原稿のご依頼をいただきましたが、
さわやか博士のさわやかブログ(?!)に前回の「消化管の出口のはなし」のような下ネタはちょっとまずいかなぁ・・・と悩んでいました。

そこで
「博士、何を書いたらいいですかね?」
と相談したところ・・・

「"わきが"で。」

とリクエストをいただきました。
ほんとに博士ったら、しょうがないなぁ~。
腸内細菌とは関係ないんですが、いいんでしょうか?
幸い、わきがの主役は常在菌なので、細菌学の話題という意味ではこのブログに合った話題なのかもしれません。

では今回は、前回より多少ばかり格調高く、わきがの話をいたします。
明日から2日間、わきの下の細菌が大活躍いたします。

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12/17
所長の安藤です

ブログ300回記念 スペシャルゲスト企画
安藤剛 協同乳業(株)研究所長登場!

LKM博士のブログももう300回ですね。

始めた当初は本社の検閲が厳しいと悩んでいた博士も、最近は言いたい放題。
それが好評だそうで、喜んでいいのかどうか、それはそれで上司として悩みます。

数日前にLKM博士と一緒に飲んだ時に言っていましたが、いつもは車通勤の博士が電車通勤になるとかなり緊張するそうです。
電車内で便意を催すのではないかとの恐怖からくるのでしょう。
通勤電車にすました顔をして乗っている皆さんの中にもそんな恐怖をかかえている人が結構いっぱいいるということを、彼のブログ、ツイッターから推し量れて安心した人がかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
私もそんな一人です。
かつて片道2時間を越える遠距離通勤をしていた折には、せっかく座っていても我慢できずに冷や汗をかきながら途中駅で飛び降りること数知れず。
知らず知らずに、
「どこどこの駅のトイレが空いている可能性が高い。」
とか、
「あそこの駅のトイレはどこにある。」
とか、いろいろな知恵がつきました。

JRさんに切にお願いしたい。
「通勤電車にはトイレがついていないのだから、通勤区間の駅のトイレの数をもっと増やして欲しい!」

前回のブログに私が鉄ちゃんであると紹介されていましたが、
今回の私の鉄分は、LKM博士とのウンコ繋がりで駅のトイレの重要性を強調するにとどめ、
"鉄オヤジ"(鉄ちゃんなんて可愛く呼ばれるキャラではない)本来の数あるエピソードはまた次の機会に披露したいと思います。

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08/20
「消化管の出口」のはなし3

ブログ250回記念 スペシャルゲスト企画
出来尾 格先生(島根大学医学部皮膚科講師)登場!


さて、内緒の話ですが、肛門の診察には、実はちょっと心の準備がいります。
それは、毛にウンチがついていることが結構あるからです。
軟便の場合、拭いた時に毛に塗り付けられてしまうのでしょう。
しかし、患者さんはそのことを知りません。
毛についている茶色や黄色のウンチを見て、
「ああ、いろんな色のウンチがあるなー」
と思います。
診察では顔を近づけてまじまじと見るので、ニオイに不意打ちされることもあります。

「肛門の症状で皮膚科を受診される際には、なるべくウォシュレットをされてから受診をお願いします!」

ところで、お尻ってどうして恥ずかしいのでしょうね?
ここまで書いて、私も急に恥ずかしくなってきました・・・。

人類の祖先とされるアダムとイブは、楽園の中で全裸で生活していましたが、禁断の果実を食べた後、「恥ずかしさ」を認識するようになり、前を隠すようになりました。
それが神様にばれて楽園を追い出されてしまう、というのが有名な「失楽園」のお話です。

でもこのお話を描いた絵画では、二人は必ず前だけ隠していて、お尻は隠していません。
お尻が恥ずかしい理由を知っている方がいらっしゃったら、教えてください。

格調高いブログを、消化管の出口の話で汚してしまいました。
博士、すみません。(とは言っても、博士の強いご希望ですが。) 
(完)

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08/19
「消化管の出口」のはなし2

ブログ250回記念 スペシャルゲスト企画
出来尾 格先生(島根大学医学部皮膚科講師)登場!


肛門は消化器科医だけでなく、皮膚科医にとっても身近な存在です。
なぜなら、皮膚科は全身の体表を担当しているため、唇・口の中・陰部・そして肛門の「体表にある粘膜」の診察もするからです。
粘膜とは、皮膚とほとんど同じものですが、表皮(薄茶色の薄皮)部分がとても薄いため下の赤い色が透けて見えます。
あと、毛がないのも皮膚との違いです。
診察の時、ほとんどの患者さんは
「汚いところですみません」
と少し恥ずかしそうに言って診察させてくれます。
一方こちらは、慣れていて平気なので、手袋をはめて淡々と診察します。

「お尻がかゆいんですが・・・」
と恥ずかしそうに言いだすおじさん、結構多いです。
わかる人にはわかりますが、肛門のかゆみがひどくなると眠れないくらいかゆいです。
しかし診察してみると、
大部分の患者さんの肛門は、健康な灰色がかった赤色のつややかな肛門です。
これは、見た目正常だけど痒みが出る「肛囲そう痒症」です。
この「肛囲そう痒症」は原因不明とされていますが、
ほとんどの人はウンチに少しだけかぶれているのだと思います。
そのため、かぶれの薬が良く効きます。
なぜか30代以上の男性に多いのは、女性は恥ずかしくて受診されないためかもしれません。
(_i_)←5/31の博士のブログ参照(お尻マーク)
http://lkm512-blog.com/2010/05/31/

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08/18
「消化管の出口」のはなし1

ブログ250回記念 スペシャルゲスト企画
出来尾 格先生(島根大学医学部皮膚科講師)登場!

はじめまして、2010年3月31日のブログに登場しました、皮膚科専門医の出来尾です。
LKM博士とは7年前に研究室で知り合って以来、長いお付き合いをしていただいています。
博士からブログの250回記念号を書く機会を与えていただき、大変光栄に思います。

今回、どのようなお題が良いか博士にお伺いしたところ、
「肛門で」
とのリクエストをいただきました。

まったく、博士、相変わらずなんだから。

「消化管の出口=肛門」なので、このブログにふさわしくない訳ではない
と自己弁護しながら、肛門の話です。をさせて頂きます。

明日から2日間にわたり皮膚科医の視点から「肛門」をお話しますので、ご笑覧下さい。

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04/21
3つのうんち力を鍛える!

ブログ200回記念 スペシャルゲスト企画
辨野義己先生(理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室)再登場!


理研の辨野です。
前回が好評だったということで、200回記念も依頼されましたので、今回は"うんち力"のお話をします。

気持ちよくウンチをだす事が病気のリスクの軽減に結びついています。
そのために3つのうんち力(つくる力、育てる力、そして出す力)を発揮することが大切です。

ウンチをつくる力とは食にあるのです。
食という漢字は「人に良い」と書きます。
そうなのです。健康を育てることが食に課せられた仕事です。
ウンチを造る食物を積極的に取り入れることが大切なことです。

ウンチを育てる力とは腸内環境の改善にとって最も基本になることです。
つまり悪玉菌が優勢ではなく、健康促進に関与する善玉菌を優勢に保つことです。

そのために、ヨーグルト、野菜や海藻などを多く摂る必要があるのです。

最後にウンチを出す力。
どんなにいいウンチを造り、育てたとしても最後は出す力がないと「健康への道」は完結しません。食べたものが出ないのは人間に限ったことです。
その原因は「運動不足」にあるのです。
便秘症の人は運動嫌いの人がとても多いことが知られています。
理想的なウンチの意味はまさに「造り、育て、出す」力の結果であるといっても過言ではありません。

理想的なウンチと遭遇するためにもトイレでご自身の"作品"を必ずチェックすることをお薦めします。
「便所」とは、体からのお便りを受け取る「お便り所」なのです。

100420.JPG
(コメント:今回はスーツ姿の辨野先生。おしゃれなんです。 by LKM博士)

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